これからのU.Geの働き方・生き方を考える
研究会に入り、調査の実施やメンバーとの話を重ねる中、それまであまり考えてこなかった自分のU.Ge期(50歳以降)について少しだけ考えるようになりました。少しだけというのは、自分にとって10年、20年先のことをあまりリアルに考えられないし考えたくないという気持ちがあり、深く考えるのを避けているからだと思います。
でも、せっかくここでコラムを書く機会を頂いたので、今から20年くらい経った時のU.Geの生き方、働き方に強く影響を与えそうな現在の事柄やキーワードから、自分事としてもヒントを得てみたいと思います。
1.オンラインを活用しながら働く
年から続くコロナウイルスの感染予防策も後押しし、テレワークが浸透しました。郊外の住みたい場所へ引っ越す人も現れ、オンラインでの仕事や交流も日常になりつつあります。コロナ収束後もこの変化は新しい日常として定着したものとして引き継がれていくでしょう。10年もたてば今よりもっと便利なオンラインデジタルツールも一般的になって、やれることの範囲も広がっているような気がします。
例えばテレワークができない職種で現役時代に働いていたとしても、定年後は好きな場所に引っ越し、現役時代の経験、知識を活かしながらオンラインで働ける働き方にチェンジするといったこともあり得るかもしれません。また年齢を重ねたことによる身体的制約で外出や肉体労働が困難となっても、生きがいをもって働くこともオンラインであれば可能かもしれません。
2.「人生100年時代」「1億総活躍社会」 × 変化の早い時代
上記の二つの言葉はいずれも日本政府が提唱していますが、少子化問題も伴い、元気なうちは働くことが社会的にも求められる傾向がより強まっていくでしょう。2045年には平均寿命は100歳に到達するという予測もあるようで、健康寿命も延びています。
健康で元気でいられて、これまでよりも長く働くとなれば、誰でも自分にとって働きやすく、やりがいのある仕事で自己実現もしながら、できれば経済的にも余裕のある生活を送りたいと思うのではないでしょうか。ロボットやAIがこれまでの人間の仕事を代替するようになると言われる、変化の早い時代。新しい人間の仕事も生まれています。自分の定期的な棚卸し、学び直しによって新たな自己を発見するということも必要になりそうです。また、自分のアンテナを立てて、柔軟な考えや行動ができるマインドも大切になりそうです。年をとると頑固になる、というのも聞きますが、ポジティブにオープンでいることを心掛けたいな…と思います。
3.社会や環境のことを考える
すでに若い世代では個人レベルで環境に配慮した商品や企業を選択する人が多くなっていますが、社会や環境に対してどういう働きかけや関わりができるか考えることは、今後のU.Geの働き方にもつながり、活躍の場を広げる気がします。
今、人類はコロナウイルスという目に見えない脅威にさらされていますが、人類が環境保護を進めていかないと、今後も新たな感染症の流行に脅かされるのかもしれません。先日、NHK番組で、温暖化によって永久凍土が溶け、そこから新たなウイルスが発見されたということが放映されていました。温暖化対策は待ったなしです。持続可能な開発目標 (Sustainable Development Goals、sDGs)が国連によって掲げられていますが、これらは2030年までの行動計画とされています。今後10年で国も企業も大きく変化するでしょう。国を巻き込んだ大きな変化は少なからず自分のライフスタイルや働き方、仕事そのものにも影響をもたらすと思われます。
大変な時代だなという気もしますし、面白い時代なのかもとも思います。こんな時代を生き抜くために、自分で考えられる頭、健康な体、なによりブレない強いマインドを持ちたいものだと思います。
BASFジャパン(株) カラーデザインセンター 森下洋子