U.Geしあわせセブンインタビュー⑤
吉村 華洲さん(59歳)『ないものはつくる』
基本「家元」としての龍生派の仕事に従事。新宿区の「龍生会館」を拠点に全国の支部を飛び回る日々。
家族、友人との交流は厚く、飲み仲間、釣り仲間との休日の「遊び」が活力源。ベランダでの家庭菜園、釣った魚を捌いての干物作りも楽しむ。仲間を招いてのパーティーの席では自らキッチンに立ち、旬の一品を振舞ったり。釣り、カラオケ、料理の腕前はプロ級(インタビュアー評価)。
現在は「コロナ禍」で難しくなった「いけばな」の直接指導からオンライン指導への転換に取り組む。
その一つが、通常の3分の1のサイズで花、花器を用意しいける、家元発案の「ひびか」。厳しい状況下にあるいけばなの世界への変革と継続を願い、花の生産者、器の制作者、流通に関わる方々、全国の派の先生方、お弟子さん達、そして花を愛でる全ての人の未来を考え、五代家元へのバトンを良い形で渡すことを望む。
それまでは仕事中心、遊びは合間にの生活で奮闘努力の日々。年齢相応に病気も患うが元気であるために、落ちてしまった筋肉を戻す為にリハビリ、筋力アップに励む。「車椅子になっても花をいける」自分の精神のために、「そこに花がある限り」と、生涯現役の強いマインド。
『ないものはつくる』
建築も「ないものをつくる」ことだと思い、学生時代に志したのかもしれない。
与えられた環境に甘んじているのが嫌。伝統を守る、定番、定型を重んじる「いけばな」の世界では危険な思想かもしれないが、今の時代においては守るためにも必要な言葉だと思う。
『黄色、ライラック、黄緑、青』
黄色とライラックは補色に近い関係、目立つ色として昔から好きな色。
黄緑、青は2012年頃から「落ち着きたい」という気分から好きになった色。
青は白と組み合わせたり、好きな黄色と組み合わせて用いることが多い。
赤、オレンジ等は「気持ちを上げる」際に着る場合はあるが、それ以外はあまり、、
花の主な色域は暖色系であり、自分にとっては仕事の色と思っている。
『いけばな世界の今後』
法改正、流通システムの変革による、作者(いけ手)と花の生産者の断絶、定番の花、限られた花の種類、絶滅していく昔はいけられていた花々、、価値ある花器の流出、、
いけばなを飾る場所のない住宅事情、、コロナ禍での直接(手取り足取り)の指導が出来ない状況を経験する中、あらためて『家の中、日々の暮らしにいけばなを』への興味、関心が高まった。
『今、これから』
頑張ったこと=成果が出て良かった、ということとすると頑張った、と言えることはないのかもしれない。
自分が頑張れるのは支えてくれる家族、仲間がいるから。
『あちこちに行きたい』
家元を譲った後は、隠居よりももっと遠い位置で口出しすることはしない。
あぁ、きれいだなぁ、いいところだなぁ、という感動を一人で、二人で、仲間で味わうことを大切に、あちこちに行きたい。
『世界中で釣りを楽しみたい(笑)』
所有欲はなくなっている。ものではない価値をくらしの中に見つけたい。
『宇宙ステーションに「ひびか」をいけてもらえたら、、(願)』