2019年を象徴する色は「アウェイクニングオレンジ」 !
~気づきをもって新しい時代に向かうオレンジ~
一般社団法人日本流行色協会(JAFCA)は、1953年設立以来、あらゆる商品分野に向けた先行き市場向けのカラー情報を選定、提案を行っています。
60数年にわたる調査・研究活動の中で、流行する色はその時々の時代や社会のムード、人々の意識と関連が深いことが分かってきています。
その経験を生かし、先般2018年11月16日に今年と来年のムードを象徴する色、「今年の色(2018年)、来年の色(2019年)」を選定し、発表させていただきました。ここでは改めて2019年の色をご紹介したいと思います。
これは、年に2回JAFCAが「トレンドカラー」として発表している「JAFCAファッションカラー」とは別のものになります。
この色は、ファッションなどの特定の分野に向けたものではなく、2018年のムードを象徴するさまざまなキーワードを包含した、「テーマカラー」と言えるものです。
2019年の色
アウェイクニングオレンジ Awakening Orange
マンセル値:4.7YR6.8/11.4
系統色名 :ストロングオレンジ
●選定の背景
「Awakening」とは、「覚醒、気づき」という意味を持つ言葉。元号が変わる2019年、「気づき」をもって新しい時代に向かう、快活なオレンジを選定しました。その選定理由として以下のキーワードをあげたいと思います。
〈覚醒、リスタート〉
2018年は、今まで隠されていた悪しき習慣と思われる事象が次々と明るみに出ました。私たちは今、本来あるべき姿に気づき、より良い未来に向けて一歩踏み出そうとしているところではないでしょうか。オレンジの香りを嗅ぐと私たちは目の覚めるようなフレッシュな感覚を覚えます。明瞭な意識で新しい未来に踏み出す、前向きなエネルギーを象徴する色として、アウェイクニングオレンジを選定しました。
〈コミュニケーション、寛容さ〉
性別、文化、価値観などの違いを理解し多様性を認めるという「ダイバーシティ」の考え方がさかんにいわれるようになりました。互いの違いを理解し認めあうためには、会話をしていくこと、コミュニケーションをとることがとても大切です。
私たちは、人との会話を楽しんだり、ペットと触れ合ったり、誰かに「ありがとう」と言われたりすると温かい気持ちになります。オレンジは温かいひだまりや、楽しく賑やかな会話を連想させる色でもあります。いつ戦争が起きてもおかしくない、きな臭い世界情勢にあって、アウェイクニングオレンジが、寛容さや幸福感を思い起こさせるきっかけになればという思いを込めました。
〈スポーツ、健康〉
東京オリンピックが目前に迫り、様々なスポーツ競技が活気を帯び、人々のスポーツへの関心も高くなっています。一方、前かがみでスマホに向き合う時間の多い現代では、心と体を動かす時間が大切です。高齢化社会においては、体を動かすことは脳の老化を防ぐ効果があることが科学的にも明らかにされています。
躍動感を演出し、生き生きとした生命の力を感じさせるオレンジは、今注目されているスポーツや健康といったイメージに相応しく、男女問わず愛される色です。
*カラー選定/「今年の色、来年の色」選定グループ
(JAFCA+小森美穂子〈JAFCA専門委員〉)
※マンセル値=マンセル・カラーシステムによる色の数値表現。マンセル・カラーシステムは、色を数値的に表すための表色系のひとつで、色を色相・明度・彩度の3つの属性で表現しています。
「アウェイクニングオレンジ」を是非活用ください。
活用された場合JAFCAまでご連絡いただけましたら、幸いです。