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U.Ge Lab コラム

「ホッとする、こと・もの・ところ・とき」①

こんにちは。椿カホルでございます。皆様におたよりを差し上げてから、またひとつ年を取りました。今回のコラムのお題が、ホッとするコト、モノ、トコロ、トキだったかしら?ということなので、ホッとするトキのことを書いてみようと思います。
私は「移動」している時、ホッとします。旅行でも出張でも日常的な用事でもA地点からB地点に動いている時、至福を感じます。「私」が自分で動く、或いは乗り物で運ばれて行くとき、次々と違う景色が現れることが楽しくて仕方がありません。子供の頃からずっとそうです。持って生まれた性分のようなものでしょうか。
景色だけではなく人も動物も植物も私の周りを通り過ぎて行きます。音も匂いも変わっていきます。その変わりようがとてもおもしろいと思うのです。私自身の気分も風景の変化とともにクルクルと変わります。その脈略が無く変わって行く自分の心模様を眺めることは、ある種、私の趣味のようなものかもしれません。
私の人生は私だけが感じ取る時間の中だけにあります。その時間の中で私だけの「記憶」が蓄積されて行きます。この記憶は誰とも共有できないものです。残念なことに…。ああ、そんなこともあったね、と誰かと語り合うことがあっても、「そんなこと」のシーンは全く別なものではないかと思います。そしてその記憶も最期は無くなってしまうのでしょうね。
或いは、死を迎える瞬間に、人生のある地点の記憶がクローズアップされたりして!そうだとしたら、せめてその瞬間だけは美しい記憶に囲まれたいなと思います。
 お若い方々には実感が全くないと思いますが、リアルシニアになりますと、否応なく終点を意識します。世の中には自分の人生の仕舞い方を指南する本、例えばエンディングノートの書き方とかなんとか、そういう商品がたくさんありますが、「最期の記憶の作り方」とか、そういうバーチャル商品とかないのでしょうかね。でもヘッドマウントディスプレイをつけて最期を迎えるというのも、見送って下さる方には変な記憶を残してしまうかもしれませんね。
 このまま書いていてもオチが無いので、この辺で終わりにします。最後に、最期まで持っていきたいホッとする時の記憶を一枚紹介して終わります。

寝覚めの床、浦島伝説のあるところ

JAFCA 大澤かほる