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「ホッとする、こと・もの・ところ・とき」③

今回のコラムテーマの「ホッとする」というワードを聞いたとき、真っ先に思い浮かんだのは、自然の中を散歩することでした。
私は自然公園や庭園、寺社仏閣の参道など自然に囲まれた場所を散歩したり、ベンチでぼーっと過ごしたりすることが好きです。
ここで大事なのが、公園、庭園、寺社仏閣ならどこでもいいのではなく、「人が少ない」ということ。人が少ない場所、具体的な名前は営業妨害になりそうなので控えますが、私はそういった人の少ない自然の中で、周りの目を気にせず、ただ自分が過ごしたいように過ごすことにホッとします。
そんな場所でやることとは、目の前に見える景色を眺めたり、植物の形を観察したり、風にあたったり、とただただ周りにあるものを五感だけで感じるということです。
限られた時間の中で仕事や家事を行っていると、ただタスクをこなすという感覚になっていたり、自分の気持ちよりも周りを優先したり、という状況に無意識になってしまっているときがあります。自分が感じたちょっとした違和感や、もやもやとした感覚は一旦置いといて…ということを繰り返していると、段々何も感じなくなったり、変化に気づけなくなっているんじゃないかと。
なので「原因はわからないけど、なんだかもやもやする」という時には、人がいない自然公園に行き、周りの目を気にせずベンチで横になったり、しゃがんで地面の蟻を観察したり、頭に浮かんだ言葉をそのまま口に出したり、とただ自分が感じたままに、その場でぼーっとして過ごします。周りの人を気にしなくていい分、自分の五感だけに集中することができます。

もう一つ大事なのが、スマホは触らないということです。SNSは見ない、ということはもちろん、きれいだなと思った瞬間があっても、写真も撮らないということです。SNSは遠くにいる人とも繋がっていられる半面、常に人が何をしているかがわかるので、今の生活ではひとりになることがとても難しいように感じます。それに写真に撮ってしまうと、いつでも見返せる分、今の自分の感覚に集中できなくなるように感じるからです。
こうして自然に囲まれた場所へ行って、自分の感じたままに過ごすことで、もやもやとしていた感覚がリセットされたとき、私は「ホッ」とします。
そして帰る頃には、来た時には気づかなかった風の強さの変化や、もうすぐ咲きそうな蕾の存在など、周りの細かいところにまで気がつくようになり、自分の感覚がクリアに、鋭敏になっていることを実感します。
都心の中にも、自然公園や庭園は意外と存在しています。朝方は特に人が少なくゆったりできる時間なので、皆さんの周りにもそんな場所がないか、ぜひ探してみてください。

私がよく行く、一人になれる公園。
コラムに載せるため、この日は特別に写真を撮りました。

田島ルーフィング株式会社
床材開発部デザイングループ 本田真帆