2016年秋冬 JAFCAレディスウェアカラー
カラーテーマ
“ Multi-Polarity ” マルチポラリティ(多極性)
今日では「トレンド/流行」を追求するより、着る人の個性や持ち味が生きる「スタイル」を志向する人々が増加した。その結果、服はパーツ化、コモディティ化し、店頭でわかりやすく提示され平準化し、突出した個性の表現も減少した。しかし一方で、自分ならではのファッションスタイルを確立し、様々に楽しみたい人々も少数ではあるが確実に存在感を強めている。
また、世界が平準化するほど人々は独特なもの/不思議なもの/複雑なものへの憧れを募らせる。レディスウェアカラーにおいても、あらためて世界の様々な文化や事象から発想や個性を掘り起こし、インスピレーションとしたい。強いオリジナリティ=極性とし、極性を持つものたちが共存するさまを造語ではあるが、多極性という言葉で表した。カラーは4つのグループが選定された。
カラーグループの特徴
1.Embracing(エンブレーシング/抱擁する)
全体にミニマルで静かなムードに合うライトグレイッシュトーンのパレット。ソフトで軽やかな中間色で構成され、不透明な時代における生活者の共感を最も得やすいものと思われる。
2.Manifesto(マニフェスト/宣言書)
強い主張や動的イメージを表現したパレット。生命力のあるストロングやディープやダーク色で構成している。なかでもオレンジ、レッド、イエロー、ゴールドなどのウォームな色相を多様にラインナップ。保守になりがちなファッションムードを活気づけるねらいである。
3.Visionary(ビジョナリー/空想的な)
最先端医療のバイオテクノロジーや光のスペクトルから発想した。カラフルだが冷静さをもつ、軽やかで未来的なパレット。
4.Quality(クオリティ/素質)
様々な黒を集めたパレット。カーボンナノチューブから開発された反射率0.035%の黒い物質「バンタブラック」から着想された。あらゆる光を吸収し闇にしてしまうバンタブラックは、新しいインスピレーションを駆り立てる色でもある。ここでは、黒を最先端素材へ期待をこめた超モダンな色として位置づけたい。
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