2018年秋冬JAFCAレディスウェアカラー
カラーテーマ
“PALPITATION” パルピテーション ときめき
服を着ることから生まれる情感
国内のファッション消費は、若年層を中心にSNSによる情報収集やネットショッピングなど、オンライン化が浸透している。人を介さず指一本で解消する便利さは、さまざまな不便を解消する一方で、コミュニケーション不全の若者を生む一因になったと言われる。
しかしファッションが合理化されるほど、着ることのライブ感やおしゃれをすることの生き生きとした感情がむしろ大切にされるのではないか、という意見が委員間で交わされた。身体を通して感じる素材の肌ざわりや着心地、デザインの美しさ楽しさ、作り手の思い、服との出会いやエピソードから生まれる会話など、服がもたらす豊かな情感は確かに存在する。
今シーズンのJAFCAではあらためてファッションにまつわるアナログな感覚に着目する。それは素材に触れ、袖を通し、街に出て、人と交流する事から生まれる感情を大切にすることである。服を着るという、当たり前ではあるが人間だけがおこなう行動から生まれる情感を「パルピテーション(ときめき)」と名付け、今シーズンの全体テーマとした。
カラーグループの特徴
1.Art 芸術、技術
紫系と青系を基調とする、クールで現代的なパレット。現代美術の抽象画や仮想現実の幻想的な映像などを想起させ、現実と非現実の双方に通用するようなイメージである。委員会では寒色、特に紫系への注目が複数意見上がり、それらを中心に構成した。都会的でシンプルだが、洗練されたアーティスティックな要素も含むスタイルをイメージしている。
2.Heritage 遺産
古びたタペストリーや壁紙、重厚な織柄カーテン、熟した果実や枯れた植物、ヴィンテージの服、ゴールドや金属の鈍く重い質感などを連想させるパレット。長い年月をかけて人から人へ伝承された技術や、昔ながらの手仕事の蓄積など。アナログだからこそ美しい、ものづくりの記憶の色である。
3.Poetry 詩歌、詩情
冬のペールカラー。ロマンティックで、肌感覚の甘い気分を誘うパレットである。シルクのランジェリーやカシミアのニットなど、なめらかでつややかな質感。あるいはモダンな高機能スポーツ素材に代表されるスポーティでフィジカルなイメージも想起される。
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